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郵便物紛失 [∴ ネパール・おいおい]

無くなりました。ネパールから送ったラダック靴下2枚。
ダサイン間際に送った荷物、日本に届かず既に3週間。
通常ネパールから送る荷物は、日本へ1週間〜10日程度で届くので、
いくらなんでも遅い。というか紛失してる。

今まで国際普通郵便で発送した荷物が紛失したことはなかったので、
私も真相を確かめるべく、郵便局へ。
出向いたところで、責任逃れと言い訳を聞かされるだけになるのは
分かっていたのだけども、問題が起こった際に動かなければ、
問題は起こり続けることになるので、頑張ってみる。

実際荷物を送った支局へ出掛けると、窓口職員はおらず、
そこで寝起きしていると思われるお爺ちゃんが、一人ご飯を食べている。
「連休前でもう皆帰っちゃったよ」とお爺ちゃん。
てか、あなたは一体誰・・とか思いつつも、
紛れてその辺に落っこちてたりしないかなー、と
あたりを物色するも、郵便物の入った箱そのままに、
職員もおらず、盗ろうと思えばいつ誰でも入って来て盗れる状態。
お爺ちゃんの寝床と、食べ物のカスで汚れていて、
こちらの役所は、本当に汚くてヒドい。

諦めて、町にあるメインの郵便局へ出向こうと歩き始めると、
見覚えのある職員発見。彼が支局の責任者らしい。
荷物を紛失した旨伝え、何か対応出来ることがあれば、
対応して欲しいと伝えると、
「連休前に送ったなら、到着までにきっと時間掛かってるんだよ、
もう何日か待ってみて、連休後にまた来なさい」と仰る。
連休後に来たところで、どう対応してくれるのか、
連休後に出来ることなら、今してくれとお願いするも、動こうとしない。

「じゃぁあなたの名前を持って、メインの局の責任者に、
何もしてくれなかった旨伝えますけど、いいですね?」と言うと、
困ったなぁといった様子。それでも一向に動こうとしない。
メイン局に行ったところで、もう連休前で誰もいないだろうから、
明朝行け、と言う。こちらでは、職員の言う通りにすると、
大抵受付時間外に行く罠に陥ることになるので、
恐らく明日は閉まっているのだろう。相手を何度も出向かせて、
手間どることで問題をうやむやにさせるのが彼らのテだ。
分かりました、結構です、とメインの局へ出掛ける。
そこで私はミラクルを見ることになる。

送った荷物を紛失したので、ボスに会いたいと職員に伝えると、
階上の部屋へ行け、と言われる。言われた通りに向かうと、
何とも最初から誠意のある対応をしてくれる温厚なボスだった。
送った荷物が届かずに既に3週間経つこと、
中身は靴下2枚であること、普通郵便で送ったことを伝えると、
なななななんと!そのボスまず謝罪したではありませんか!!

「国際普通郵便の場合、日本には通常1週間〜10日程度で届くので、
3週間経って届いていないのであれば、紛失したと考えた方がいい。
普通郵便が紛失した場合、追跡出来ないし、日本の郵便局側にも
問い合わせることが出来ないので、今回は申し訳ないけれども
私には力になれない。」と仰った!!!なななななんと!!!

日本ではヒジョーに当たり前と思われる対応なのだけれども、
こちらの役所職員の対応のヒドさは身をもって知っているので、
今回の彼の対応にはまずビックリ。
問題が起きた際、大抵責任を逃れようと、どうにか言い訳を繰り返し、
郵便局の責任ではないと念を押し、なんとか私を帰らせ、
私が次来る時に、どうにか顔を会わせないように必死になるのが普通。
なのに彼は、まず謝罪し、紛失したことを認めた。
私はきちゃない郵便局で、神様を見る思いだった。

彼は国際郵便発送の責任者だった。
次回からは、支局からは送らず、彼のいるメインの局の、
彼のカウンターまで来て荷物を発送するといいと教えてくれた。
空港に向かう荷物のバッグに荷物が入るところを見届ければ、
無くなる心配がない、とのこと。
もしくは、書留郵便で送るか・・と仰るので、
書留郵便の価格を知りたいと伝えると、
職員に頼んで、あっという間に価格表をくれた。
これまたアメーーーージング!!!

こちらでは、大抵皆せこく嘘価格を使うので、
「金額と重さの詳細」といった明確なモノを得ることは不可能に近い。
それがあっという間に私の目の前に。。嗚呼、感動。
メイン局まで来ても、もし彼がいない場合どうしたらいいかと尋ねると、
彼の名前を職員に伝えれば、対応してくれるから大丈夫、
とフルネームを書き方つきで教えてくれた。
あーーーー、あなたは神様だ。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。

こちらでは、皆責任逃れに全霊を傾けるので、
名前を教えることはタブーに近い。でも、彼は教えてくれた。
そして、国際郵便発送の責任者であることまで教えてくれた。
「責任者」という言葉から皆逃げようとするこちらで、
自ら「責任者」と言う人に、私は初めて出会った。

あなたがいれば、郵便局は大丈夫!とか訳の分からない思いを胸に抱き、
かといって、ヒドい役所仕事がまかり通るネパールでは、
こういった真摯な人が生きづらいんだろうなぁ、とか少し同情。
ありがとう。本当にありがとう!と握手を交わして郵便局を後にする。
靴下は無くなってしまったけど、ミラクル職員に出会えたことに感謝し、
次の仕事へ向かう。

トゥプ氏に事の次第を伝えると、
「その彼の誠意に、あなたは一体何が出来る?」と聞かれ、
何も出来ない自分を感じる。でも何もしないよりマシかと
ブログで書いて、ネパールにもこんな人がいるのだと伝える事にした。

大抵ネパールのダークサイドを見ることになる役所仕事で、
今回私は初めてポジティブサイドを見た。
こんな人が生きづらいネパールでなく、
どうか、こんな人で役所がいっぱいのネパールになりますように。。
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