凝視するネパール人

こちらネパール人は、凝視します。
そりゃもうガチ見します。

人様をガチ見するのは失礼だという感覚のある
私からは、失礼この上ない行為なのですが、
こちらではいたって普通。

以前テンプーに乗ったときのこと。
隣のネパリ男性が、すぐ隣の私を
真横を向いて凝視していることに気付いた私は、
その彼を見返すと、ぱっと顔を反らし、
私がまた前を向くとまた凝視、
また気付いた私が横を向いて、
隣同士で首フリ合戦みたいになり、
最後にはお互い吹き出してしまったことが。

彼らは他者を凝視することに関しては
何とも思わないようなのですが、
自らが凝視されることはどうやら嫌な様子。

先日、仕事部屋の外でジュース片手に一休みしていると、
前の建物の中から私を凝視するネパリ少女。
私が見ていることに気付いた彼女は、
少し部屋の奥に引っ込んで、私には見えない位置から凝視。
それでも私が、見えてるよ、とサインを送ると、
彼女はとうとうどこかへ逃げて行ってしまいました。
ただジュース飲んでただけなのですが、
何がそんなに面白いのか、やっぱり外人だとバレたのか。。

先日、仕事部屋の屋上でストレッチをしていると、
やっぱり隣の建物からおじさんがガチ見。
私がガチ見返すと、なななんと、おじさんささっと
カーテンの陰に隠れて、顔半分でガチ見。
み、見えてるし（汗。しかも顔半分だけ。
しっかり半丸見え・・。余計恐いがな。

なんの特別のないストレッチないのですが、
なぜにそんなにガチ見なのかと思っていると、
また別の建物では子供らが階段を駆け上って来るのが見えたので、
もう何だか面倒になって、自室に戻りました。
てか、何で隠れなきゃならんのだ、と思いつつも、
外に出たら指差されて噂されるのがオチなので、
何だかそれがとーても面倒に感じる私。

そして同じ建物に暮らすチベタンおじさんは、
私が玄関前の植木に水やりをしていると、
もう一体全体どうしちゃったのってくらいに、
そりゃもうビックリ顔でガチ見。
な、なななんだ、この生き物は・・てくらいの形相。
や、植木に水を、ね。

・・て。あ、あれー？？
私、ネパール人にネパール語で道聞かれるし、
チベタンにもチベット語で話しかけられるので、
てっきりバレてないと思いきや、
なぜかここでは勝手が違うよう様子。
近所に外人がいると、噂が広まってるのかもしれませぬ。

あ！あの外人ジュース飲んでる！
あ！あの外人変な動きしてる！
あ！あの外人植木に水やってる！

てなもんですよ。
別に本当になんてことのないことにイチイチと。

思い返せば私、ネパールに暮らしながら、
ネパール人居住区に部屋を借りるのが初めてだったりし。
ボダソトゥーパの目の前に暮らしていた時は、
目の前ストゥーパ、隣が寺、とネパール度ゼロ。
あとは主人の実家しか知らない私。
実家は一家がひとつの敷地に暮らしているので、
隣といってもかなり離れているので、実感ナシ。

今までネパール人に囲まれて暮らしたことがなく、
気がつかなかったのですが、この凝視、私はどうも気になる。
ガチ見返しもいちいち疲れるので、何だか目を反らせがちな私。

・・と、また懲りずに植木に水をやっていると、
隣の寺の香港出身僧侶が前を通り過ぎつつ「こにちはー」。
ちと発音違いますが（笑、伏し目がちな私には、
こういう小さなことが嬉しかったりし。